安定ヨウ素剤に関するQ&A
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1.安定ヨウ素剤について
安定ヨウ素剤は放射性でないヨウ素をヨウ化カリウムなどの形で内服用に製剤化したものです。現在、放射性ヨウ素からの甲状腺の内部被ばくを予防・低減するための医薬品として国内で承認され、市販されている安定ヨウ素剤には丸剤、粉末剤、ゼリー剤があります。
ヨウ素には放射線を出すヨウ素と放射線を出さないヨウ素とがあります。放射性ヨウ素は甲状腺に多く取り込まれて、それが出す放射線の影響により数年~数十年後に甲状腺がんを発生させる可能性があります。
甲状腺は安定ヨウ素も放射性ヨウ素も同じように取り込みます。安定ヨウ素剤を服用すると、その後(約24時間)、体内に入った放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを抑制します。
3歳未満児の乳幼児も服用できる安定ヨウ素剤のゼリー剤が開発されました。青森県内では平成29年度の事前配布説明会から配布を開始します。
昆布やわかめなどの海藻などにはヨウ素が含まれています。しかし、含まれているヨウ素の量が一定ではなくばらつきがありますので、安定ヨウ素剤の代替としては不適当です。
安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素が体内に取り込まれること自体を防ぐことはできません。安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素による甲状腺への被ばくを低減する効果はありますが、放射性ヨウ素により甲状腺に生じた障害を元へ戻すことはできません。 安定ヨウ素剤では、放射性ヨウ素以外の他の放射性物質による内部被ばくを予防することはできません。
放射性ヨウ素を体内に取り込みそうな時、事前に安定ヨウ素剤を服用すると最大の防護効果があります。放射性ヨウ素を体内に取り込んだ後では、数時間以内のできるだけ早い時期に服用すれば、効果はありますが限定的です。なお、放射性ヨウ素を体内に取り込んだ後24時間以上経過してから服用した場合には、甲状腺の被ばく防護効果は期待できません。また、放射性ヨウ素が環境中に存在しない場合には安定ヨウ素剤を服用しても全く防護効果はありません。このため、国や県・村の服用指示にしたがって服用するようにしてください。
服用の必要性は国が判断しますが、服用の判断は最終的には各個人です。Q8に記載する服用してはいけない方を除いて、すべての方々が国や県・村からの服用指示があった場合に服用していただくことが基本です。特に、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくに対いて、胎児、こどもたちは、成人よりも発がん影響への感受性が高いことが知られており、こどもたちは優先的に安定ヨウ素剤を服用すべきです。また、ヨウ素は胎盤を通過するため、胎児を防護するためにも、妊娠している方は安定ヨウ素剤を服用することを薦めます。ただし、服用は規定量を守ってください。 以上を参考にして、服用量(Q14)を守って服用してください。
2.安定ヨウ素剤を服用できない方について
安定ヨウ素剤を服用してはいけない方、または、慎重に服用する必要のある方は以下のとおりです。
服用してはいけない方
安定ヨウ素剤の成分、または、ヨウ素に対し、過敏症の既往歴のある方
(ポピドンヨード液(うがい薬に含まれます)及びルゴール液使用後並びにヨウ化カリウム丸服用後にじんましんや呼吸困難や血圧低下などのアレルギー反応を経験した方)
慎重に服用する必要のある方
・ヨード造影剤過敏症と言われたことのある方
・甲状腺機能亢進症と言われたことのある方
・甲状腺機能低下症と言われたことのある方
・腎機能障害と言われたことのある方
・先天性筋硬直症と言われたことのある方
・高カリウム血症と言われたことのある方
・低補体血症じんましん様血管炎と言われたことのある方
・肺結核の患者と言われたことのある方
・ジューリング疱疹状皮膚炎と言われたことのある方
また、下記の薬を服用している場合には安定ヨウ素剤と相互作用を起こす可能性があります。
・カリウム含有製剤、カリウム貯留性利尿剤、エプレレノン
・リチウム製剤
・抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)
・ACE阻害剤、アンジオテンシンⅢ受容体拮抗剤、アリスキレンフマル酸塩
説明会において、医師からの説明及び保健師等からの問診等の結果、「服用不適」と判断された方は、PAZ圏内の全住民が避難する「全面緊急事態」より早い段階の「施設敷地緊急事態」の段階で避難を開始します。
安定ヨウ素剤の事前配布対象者は、服用不適切者及び配布を希望しない者を除いた全員であり、避難行動要支援者であっても事前配布されます。
施設敷地緊急事態で避難する場合は、事前配布された安定ヨウ素剤を携帯して避難してください。
3.注意事項や副作用について
・安定ヨウ素剤の服用は、国や県・村から指示を出しますので、その指示に従って服用してください。
・定められた規定量の安定ヨウ素剤を服用してください。
➢規定量以上に服用することは避けてください。
・事前配布地域の方で避難時に安定ヨウ素剤が見つからない場合には、入手に時間をかけるのでなく、避難を優先してください。避難の際に村または県の職員から追加配布を受けて服用するようにしてください。
・妊娠している方、または、その可能性のある婦人は、原則として複数回の服用を避けてください。[胎盤関門を通過して、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがあります。]
・小児が服用した場合には、皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがあります。
・妊娠している方、授乳中の方が安定ヨウ素剤を服用した場合には、服用後の安定ヨウ素剤による影響の観察などが必要になりますので、医師や薬剤師、あるいは所定の相談窓口まで相談ください。
安定ヨウ素剤は、緊急時に服用するものですが、副作用の可能性があることを理解してください。
副作用として、一般的な過敏症(発疹など)、消化器系(悪心・嘔吐、胃痛、下痢、口腔・咽喉の灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便(消化管出血)など)、その他(甲状腺機能低下症、頭痛、息切れ、かぜ症状、不規則性心拍、皮疹、原因不明の発熱、首・咽喉の腫脹など)の症状が報告されています。
3歳未満はゼリー剤を1包、3歳以上13歳未満は安定ヨウ素剤を1丸、13歳以上は安定ヨウ素剤を2丸経口服用してください。
安定ヨウ素剤を服用し、Q13に書かれているような症状が現れた場合には、速やかに近くの医師に相談してください。その際、症状とともに、いつ、どれだけの量の安定ヨウ素剤を服用したかについてもご説明ください。
安定ヨウ素剤の服用回数は原則1回としています。ただし、再度の服用がやむを得ないと国(原子力規制委員会)が判断し、その判断に基づいて、国または県・村からの指示があった場合にのみ、24時間の間隔を空けて服用することとなっています。
誤って服用した場合、吐かせるなどの処置までは必要ありませんが、体調に異変がみられないか確認し、医師やあらかじめ定められた相談窓口(TEL0570-020-100)に相談してください。
4.保管方法や転出等の手続きについて
原子力発電所から概ね5km圏内にお住まいの方々は県・村が開催する説明会に参加して、医師の説明内容を充分理解していただく必要があります。内容をご確認いただき、また、いくつかのご質問にお答えいただいた後で、安定ヨウ素剤をお渡しします。その際、チェックシート兼受領書の受領欄に署名していただきます。
歩行困難である等のやむを得ない事情により説明が受けられない方については、説明会に参加した家族による代理受領が可能です。ただし、代理受領に来られた家族等は、その依頼をした方に資料を手渡し、説明内容を伝達することをご承知いただいた上で、チェックシート兼受領書を記入・提出していただく必要があります。
5km圏内事業所に勤務する方々は事前に申請書を提出いただき、説明会に参加していただきますので本ホームページの安定ヨウ素剤のページをご確認ください。
なお、配布された安定ヨウ素剤は、他人へ譲渡しないでください。
また、転出、死亡等により、安定ヨウ素剤が不要になった場合には、村役場等で転出等の手続きを行う際に村原子力対策課にお持ちください。
また、3歳未満の乳幼児が3歳に達した場合や、こどもが13歳になった場合等のように追加的に安定ヨウ素剤が必要となった場合には、別途ご案内する説明会で安定ヨウ素剤を配布します。
安定ヨウ素剤は直射日光のあたらない、湿気の少ない所に保管してください。また、温度が高い場所(夏の車中、火元の近くなど)に長期間放置することは避けてください。さらに、「薬箱のように用途が明確で覚えやすい場所に保管する」、「非常時に必ず持ち出す防災袋に他の災害時用品と一緒に入れる」など、なくさないための工夫をしていただくことも有効です。また、5km圏内事業所にお勤めの方で事前配布を受けた方は事業所内に保管くださるようお願いします。
安定ヨウ素剤の有効期限は5年間です。このため、県・村は、交換時期が近づいた時点で、事前配布のための説明会を行いますので、古い安定ヨウ素剤を持参して、説明会に参加いただければ新しい薬剤と交換します。配布された安定ヨウ素剤で期限が切れたものは県・村が回収しますので、各自で捨てたり、そのまま保持しないでください。
事前配布説明会で配布します。
開催については、村から広報紙等で連絡します。
速やかに村原子力対策課へ申し出てもらい、紛失した方が事前配布対象者であるか等を確認した上で、紛失届を提出していただき、再度、必要量を配布します。ただし、紛失した安定ヨウ素剤が発見された場合には、古いほうの安定ヨウ素剤を速やかに村原子力対策課へ返却していただきます。
村原子力対策課にて返却届を記載いただき、返却していただきます。