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原子力発電所の安全対策

原子力発電所の安全確保のしくみ

原子炉の中では、運転に伴ってたくさんの放射性物質が発生します。そこで原子力発電所では「どのような場合でも放射性物質を外部に出さない事」を大前提にしています。
このため原子力発電所では「多重防護」の考え方に基づいて設計されています。 万一事故が起きても

原子炉の運転を「止める」こと
燃料の溶融を防ぐため燃料を「冷やす」こと
周辺への影響を防ぐため放射性物質を「閉じ込める」こと

を行い、安全が十分に確保されるようになっています。

原子力発電所の安全規制

原子力発電所は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(原子炉等規制法)」、「電気事業法」に基づいて安全規制が行われています。

設計・建設段階の安全規制の概要

事業者から原子炉設置許可申請が出されると、原子力規制委員会は原子炉設置許可申請が原子炉等規制法に定められた許可基準に適合しているか安全審査を行い、原子炉の設置許可を行います。

設置許可を受けた事業者は、工事計画認可申請により原子力発電所の設計の詳細について原子力規制委員会の認可を受けた後、工事を開始します。

この後も、原子力規制委員会は工事の工程ごとの使用前検査や燃料体の検査を実施します。運転開始にあたっては原子炉の保安に関する基本的な事項を定め、保安検査の基となる保安規定の審査・認可を行います。

運転段階の安全規制の概要

事業者は原子力発電所の運転を始める前に、「保安規定」の認可を受けなければなりません。
「保安規定」とは、原子力発電所の運転の際に実施すべき事項や、従業員の保安教育の実施方針など原子力発電所の保安のために必要な基本的な事項が記載されているもので、事業者は、これを遵守しなければなりません。

原子力規制委員会は、事業者からの保安規定の認可申請を受け、災害の防止上支障がないことを審査した上で保安規定を認可します。
事業者は、保安規定の記載内容を変更しようとするときは、この変更に対する認可を再度、受ける必要があります。

運転開始後は、事業者は定期的に「定期事業者検査」を行います。また、原子力規制委員会は安全上特に重要な設備・機能について「定期検査」を行い、技術基準への適合性を確認しています。
原子力発電所の立地地域には、原子力規制委員会の事務局職員である原子力保安検査官が常駐しています。
原子力保安検査官は、原子力発電所内の巡視点検や事業者とのヒヤリング等を実施するとともに、事業者が「保安規定」を遵守しているかどうか確認する、年4回及び安全上重要な行為に対しての「保安検査」を行っています。

事業者には、運転時に行った定期的な試験などの記録を保管することが義務付けられているほか、運転に関する主要な事項に関しては定期的に、事故・トラブルが発生した時は直ちに原子力規制委員会に報告しなければならないことになっています。

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